こんにちは、セーフです。
ノースフェイスのジャケット選び、特に「マウンテンレインテックス」と「マウンテンライト」の二大巨頭で迷う気持ち、本当によくわかります。
どちらもGORE-TEXを採用した本格派ですが、決定的な違いは「軽さと機能のバランス」と「拡張性」にあります。
この二着は似ているようで、実は全く異なる哲学で作られています。
マウンテンレインテックスジャケットは、軽さと堅牢さを高いレベルで両立させた「実用的な高機能シェル」。
一方のマウンテンライトジャケットは、ブランドの象徴的なデザインと冬まで見越した拡張性を持つ「万能型のアウター」です。
あなたの使い方に合わない方を選ぶと、「重すぎた…」「冬は物足りない…」といった後悔につながりかねません。

結局、街着メインだけどたまに山にも行く自分には、どっちが正解なんだ?

セーフの結論としては、軽快さとスッキリした見た目を重視するならマウンテンレインテックス、冬の着回しや所有欲を満たす一着が欲しいならマウンテンライトジャケットが最適解です
この記事を読めば、以下の点が明確になります。
- マウンテンレインテックスとマウンテンライトのスペックや価格の違い
- GORE-TEXの構造やジップインジップ機能がもたらす具体的な差
- 街着や登山など、シーン別の最適な選び方
- 購入後に後悔しないためのチェックポイントとメンテナンス知識
あなたの用途で決まる|マウンテンレインテックスジャケットとマウンテンライトジャケットの選び方
ザ・ノース・フェイスを代表する二つのシェルジャケット、マウンテンレインテックスとマウンテンライト。どちらを選ぶべきか、その答えはあなたの主な用途によって決まります。
ファッション性、機能性、携帯性、拡張性など、どこに重きを置くかで最適な一着は変わるのです。まずは両者の違いを客観的なスペックで把握することが、後悔しないジャケット選びの第一歩です。
違いをひと目で理解する比較表(2025年最新スペック)
両者の特徴を把握するために、まずは基本的なスペックを比較してみましょう。価格と重量、そして機能性に大きな違いがあることがわかります。
| 機能/モデル | マウンテンレインテックスジャケット | マウンテンライトジャケット |
|---|---|---|
| 参考価格(税込) | 約33,000円 | 約44,000円 |
| 素材 | GORE-TEX(3層) | GORE-TEX(2層) |
| 生地の厚さ | 70デニール | 70デニール |
| 重量(Lサイズ) | 約490g~500g | 約700g~735g |
| ジップインジップ | ×(非対応) | ◯(対応) |
| フード仕様 | 襟に収納可能(ビルドイン) | 一体型 |
| ロゴ | プリント | 刺繍 |
| ポケット | ハンドウォーマーポケット(腰) | チェストポケット(胸) |
| シルエット | ややスリム | ややルーズ |
比較表からわかるように、この二つのジャケットを選ぶ上での重要な判断基準は「重さ」「価格」「機能」の3点に集約されます。
まず「重さ」です。約215gの差は、手に持てば明らかにわかる違いです。マウンテンレインテックスの約490gという重量は3層構造のGORE-TEXジャケットとしては軽量であり、登山や旅行での携帯性に優れます。一方、マウンテンライトの約705gという重さは、裏地が付いていることによる安心感と堅牢性の裏返しでもあります。
次に「価格」です。約11,000円の価格差は決して小さくありません。この差額で高機能なフリースやインナーダウンが購入できることを考えると、ジップインジップ機能が本当に必要かどうかは慎重に判断すべきポイントです。
最後に「機能」です。最大の機能差は、インナーを連結できる「ジップインジップシステム」の有無です。これによりマウンテンライトは真冬のアウターとしての拡張性を持ちます。加えて、フードの仕様やポケットの位置といった細かなデザインの違いが、日常での使い勝手に影響を与えます。
セーフがマウンテンレインテックスジャケットをおすすめする理由
もしあなたが、特定のシーズンだけでなく、春、夏、秋のスリーシーズンでアクティブに使い倒したいと考えているなら、セーフはマウンテンレインテックスジャケットを強くおすすめします。
その理由は、約215g軽いことによる圧倒的な軽快さと、約11,000円手頃な価格設定にあります。
ジップインジップ機能がない点は一見デメリットに思えますが、ユニクロのウルトラライトダウンなどのインナーを中に着込めば、冬の街着としても十分に対応可能です。
むしろ連結機能に縛られないため、様々なブランドのインナーと自由に組み合わせられるメリットもあります。
軽さは正義であり、日常使いから本格的なアウトドアまで、より広いシーンでストレスなく着用できる汎用性の高さが、このジャケット最大の魅力と言えるでしょう。
決定的な違いは5つの機能と素材構造
マウンテンレインテックスとマウンテンライトのどちらを選ぶか決める上で、両者の仕様の違いを深く理解することは欠かせません。素材の構造から重量、拡張機能、細部のデザインに至るまで、5つの決定的な違いがそれぞれのジャケットの個性を形作っています。
ゴアテックス2層構造と3層構造の耐久性と着心地の比較
両ジャケットは防水透湿素材の最高峰であるGORE-TEXを採用していますが、その構造が異なります。
- マウンテンライトジャケット(2層構造): 表地とGORE-TEXメンブレンを貼り合わせた2層構造です。裏地が独立しているため、肌触りが良くしなやかな着心地を提供します。街着としての快適性はこちらが優位です。
- マウンテンレインテックスジャケット(3層構造): 表地、GORE-TEXメンブレン、裏地を一体化させた3層構造です。生地にハリがあり、耐久性、特に裏地の耐摩耗性に優れます。バックパックとの摩擦が想定される登山など、ハードな環境での信頼性が高い構造です。

GORE-TEXの層の数って、多い方が性能が良いんじゃないの?

一概にそうとは言えません。3層は耐久性に優れ、2層は着心地の良さやデザインの自由度が高いという特徴があります。
どちらも防水透湿性能は最高レベルなので、用途に合わせた構造を選ぶことが重要です。
肌触りの良い裏地を持つマウンテンライトは街着で快適に、軽量で耐久性の高いマウンテンレインテックスはアウトドアで真価を発揮する、と覚えておくと良いでしょう。
重量差約215g|軽快さで選ぶならマウンテンレインテックスジャケット
Lサイズで比較すると、マウンテンライトジャケットが約705gなのに対し、マウンテンレインテックスジャケットは約490gとその差は約215gにもなります。これは500mlのペットボトルの半分近い重さです。
この重量差は、着用時の快適性に直結します。特に長時間の着用が想定される登山や、旅行カバンに入れて持ち運ぶ際には、マウンテンレインテックスの軽さが大きなメリットとなります。肩への負担が少なく、軽快な着心地はアクティブなシーンで集中力を削ぎません。日常的に羽織るアウターとしても、軽い方がストレスなく着用できます。
ジップインジップ機能の有無|インナー連結で真冬の拡張性が違う
両者を分ける最も大きな機能差が「ジップインジップシステム」の有無です。マウンテンライトジャケットには、ユニクロのフリースなどの対応インナーを内側のファスナーで連結できる機能が搭載されています。
この機能により、マウンテンライトジャケットは一枚の分厚いアウターのように変化し、真冬の厳しい寒さにも対応する防寒着として活用できます。インナーとアウターが一体化するため、着脱がスムーズで、内部でインナーがずれる煩わしさもありません。冬のアウターとしての汎用性を重視するなら、この機能は大きな魅力です。
拡張性で選ぶ冬の主役
フード仕様|収納可能で街着向きなのはマウンテンレインテックス
フードのデザインも使い勝手を左右するポイントです。
- マウンテンレインテックスジャケット: フードを襟部分に巻き取って収納できるビルドイン仕様です。フードを収納するとスタンドカラーのジャケットになり、街着としてスッキリとした印象で着こなせます。
- マウンテンライトジャケット: フードは収納できない一体型です。マウンテンパーカーらしいクラシックなデザインで、首周りの防風性が高いのが特徴です。
TPOに合わせて見た目を変えられるマウンテンレインテックスは、より都会的なスタイルにマッチしやすいと言えます。
ロゴ刺繍とプリント|デザインの好みと所有欲の満足度
細かな点ですが、ブランドロゴの仕様も異なります。マウンテンライトジャケットは高級感のある刺繍ロゴ、マウンテンレインテックスジャケットはスポーティなプリントロゴが採用されています。
刺繍ロゴは立体感があり、ジャケット全体の質感を高めてくれます。長年使っても劣化しにくい点もメリットです。一方、プリントロゴは軽量化に貢献し、モダンでミニマルな印象を与えます。どちらが良いかは個人の好みによりますが、所有欲を満たしてくれるのは刺繍ロゴのマウンテンライトジャケットと感じるユーザーが多いようです。
失敗しないサイズ感の選び方と試着の注意点
高価なジャケットだからこそ、サイズ選びでの失敗は絶対に避けたいものです。マウンテンレインテックスとマウンテンライトは、同じサイズ表記でもシルエットやフィット感が異なります。自分の体型と、どのような着方をしたいかを明確にして選ぶことが重要です。
メンズ|ジャストフィットと重ね着ルーズフィットの基準
メンズモデルのサイズ感は、それぞれのジャケットの設計思想を反映しています。
- マウンテンレインテックスジャケット: ややスリムでスッキリとしたシルエット。アウターシェルとして身体にフィットさせ、動きやすさを重視するサイズ感です。ジャストサイズで着こなしたい方におすすめです。
- マウンテンライトジャケット: 肩周りや身幅にゆとりを持たせたルーズフィット。ジップインジップでフリースなどを連結することを想定しているため、全体的に大きめの作りです。厚手のインナーを着込むことを考えるなら、このゆとりが快適さに繋がります。
普段Mサイズを着る方でも、マウンテンライトならSサイズでジャスト、Mサイズでトレンド感のあるオーバーサイズに着こなせるといったサイズ選びが可能です。
レディース|シルエット重視の着丈とウエスト周りの違い
レディースモデルは、女性らしいシルエットを意識したカッティングになっています。メンズモデルと比較すると、ウエスト部分がシェイプされ、着丈も短めに設定されていることが多いです。

女性がメンズモデルを着るのはアリ?

もちろんアリです。あえてメンズのSサイズなどを選んで、オーバーサイズで着こなすスタイルも人気があります。
ただし、袖丈が長くなりすぎないか、試着して確認することをおすすめします。
ボーイッシュなスタイルが好きならメンズモデル、フェミニンなシルエットを重視するならレディースモデルを選ぶのが基本です。
オンライン購入で失敗を避ける3つの計測箇所
オンラインで購入する場合、試着ができないため、手持ちのジャケットとのサイズ比較が不可欠です。失敗を避けるために、最低でも以下の3箇所は必ず確認しましょう。
- 着丈: ジャケットの背中側の襟の付け根から裾までの長さ。短すぎると腰が冷え、長すぎるとだらしなく見えます。
- 身幅: 両脇の付け根下の直線を測った長さ。インナーを着込む余裕があるかを確認する重要な指標です。
- 裄丈(ゆきたけ): 首の後ろの中心から肩を通り、袖口までの長さ。腕を前に伸ばした際にも手首が隠れるかを確認します。
公式サイトや販売サイトのサイズ表と、自分の理想のジャケットの数値を照らし合わせることで、オンラインでの購入失敗リスクを大幅に減らせます。
軽登山や自転車通勤に適したサイズ感
軽登山や自転車通勤で着用する場合、動きやすさと風によるバタつきにくさが重要になります。
- 軽登山: バックパックを背負い、腕を大きく動かすため、肩周りや腕周りに適度なゆとりがあるサイズが望ましいです。ただし、大きすぎると枝などに引っかかるリスクもあります。
- 自転車通勤: 前傾姿勢になるため、着丈が短いと背中が出てしまいます。少し長めの着丈を選ぶと良いでしょう。また、風の抵抗を減らすために、身幅が大きすぎないジャストフィットに近いサイズが快適です。
どちらの用途でも、マウンテンレインテックスのスリムなシルエットはバタつきが少なく、適していると言えます。
街着コーデと登山シーン|用途別で最適なジャケット
マウンテンレインテックスとマウンテンライト、それぞれの特性は着用シーンによってメリットにもデメリットにもなり得ます。都会でのファッションアイテムとして、また自然の中での保護シェルとして、どちらがあなたのライフスタイルに最適かを見ていきましょう。
街着ファッション|おしゃれで都会的な着こなしに最適なのはどっち
ファッションアイテムとして評価すると、両者には異なる魅力があります。
- マウンテンレインテックスジャケット: フードを収納すればミニマルなスタンドカラージャケットとして着こなせます。スリムなシルエットとシンプルなデザインは、きれいめなスタイルにも合わせやすく、都会的で洗練された印象を与えます。
- マウンテンライトジャケット: 肩の切り替えデザインはザ・ノース・フェイスの象徴であり、アウトドアブランドらしいクラシックな魅力があります。デニムやカーゴパンツと合わせた王道のアメカジスタイルや、オーバーサイズを活かしたストリートファッションによく映えます。
汎用性が高く、様々なコーデに馴染むのはマウンテンレインテックス、一着で主役になる存在感があるのはマウンテンライトと言えるでしょう。
ミニマルデザインで街に溶け込む
日常使いの利便性|ポケットの位置と使いやすさの比較
日常の使い勝手に大きく影響するのがポケットの位置です。
- マウンテンライトジャケット: ポケットは胸の高い位置にあります。これは登山の際にバックパックのウエストハーネスと干渉しないための本格的なアルパイン仕様です。しかし、街着で手を入れたり、頻繁にスマートフォンを出し入れしたりするには不便に感じるという声が多く聞かれます。
- マウンテンレインテックスジャケット: ポケットは一般的なジャケットと同じ腰の位置にあります。ハンドウォーマーとして自然に手を入れられるため、日常使いでの利便性はこちらが圧倒的に優れています。

マウンテンライトのポケットって、そんなに使いにくいの?

慣れもありますが、寒い日に自然に手を温めたい時など、腰の位置にあるポケットのありがたさを実感する場面は多いです。デザイン上の特徴と割り切れるかどうかがポイントになります
週末の軽登山やキャンプ|岩場やバックパック擦れへの耐久性
アウトドアシーンでの耐久性は、生地の厚みと構造が鍵を握ります。両モデルとも表地には頑丈な70デニールのナイロンを使用しており、軽登山やキャンプでの使用には十分すぎるほどの耐久性を持っています。
ただし、バックパックのショルダーハーネスが常に擦れるような状況を考えると、裏地が一体化していて生地にハリのある3層構造のマウンテンレインテックスジャケットの方が、内部の摩耗に対してより高い耐久性を発揮します。よりハードなアクティビティを想定するならば、マウンテンレインテックスの構造は信頼できる選択肢です。
バイク通勤や急な雨対策|携帯性の高さとフード収納のメリット
バイクや自転車での通勤・通学では、機能性が快適さを大きく左右します。この用途ではマウンテンレインテックスジャケットに軍配が上がります。
最大の理由は、フードを襟に収納できることです。これにより、走行中の風でフードがバタつくのを防ぎ、視界の妨げになることもありません。また、約215g軽いことによる携帯性の高さも魅力です。専用のスタッフサックに入れてカバンに常備しておけば、急な雨にもスマートに対応できます。完全防水のGORE-TEX素材なので、レインウェアとしての性能も申し分ありません。
購入後の後悔を避ける4つのチェックポイント
高機能なジャケットだからこそ、購入してから「こんなはずじゃなかった」と感じるポイントも存在します。ここでは、多くのユーザーが感じる後悔の声を基に、購入前に確認すべき4つのチェックポイントを解説します。
マウンテンライトジャケットの後悔の声とデメリット|ポケットが高い
マウンテンライトジャケットで最も多く聞かれるデメリットが「ポケットの位置が高くて使いにくい」という点です。前述の通り、これは本格的な登山仕様のなごりであり、デザイン上の特徴でもあります。しかし、街着としてポケットに手を入れて歩くことが多い方にとっては、大きなストレスになる可能性があります。
このポケット位置を許容できるか、あるいはファッションデザインの一部として受け入れられるかが、マウンテンライトジャケットを満足して着続けられるかの分かれ道です。
マウンテンレインテックスジャケットの後悔の声とデメリット|ロゴプリント
マウンテンレインテックスジャケットのデメリットとして挙げられるのが「ロゴがプリントである」点です。刺繍に比べて高級感に欠けると感じる方や、洗濯や経年でプリントが剥がれてしまうのではないかと心配する声があります。
また、冬のアウターとしての使用を考えた際に「ジップインジップ機能がない」ことを後から後悔するケースもあります。インナーを連結できる利便性や一体感を重視する方にとっては、明確なデメリットと感じられるでしょう。
真冬の防寒対策|アウターシェル単体の保温力の検証
これは両モデルに共通する重要な注意点です。マウンテンレインテックスもマウンテンライトも、あくまで雨風を防ぐための「シェル(殻)」であり、それ自体にダウンジャケットのような保温機能はほとんどありません。
「GORE-TEXだから暖かいだろう」と期待して購入すると、冬の寒さに驚くことになります。これらのジャケットは、中に着るミドルレイヤー(フリースやインナーダウン)で温度調整を行う「レイヤリングシステム」を前提とした衣類です。単体では、風を防ぐことによる体感温度の低下を防ぐ効果しか期待できません。
冬の重ね着|ジップインジップ非対応でも暖かさを保つレイヤリング術
ジップインジップ機能がないマウンテンレインテックスジャケットでも、工夫次第で十分に冬を越すことができます。重要なのは、適切なミドルレイヤーを選ぶことです。
- 薄手のインナーダウン: ユニクロのウルトラライトダウンコンパクトジャケットなどは、薄手で保温性が高く、シェルの下に着ても着ぶくれしにくいので最適です。
- フリース: 保温性と速乾性に優れたフリースも定番の組み合わせです。パタゴニアのR2ジャケットやザ・ノース・フェイスのデナリジャケットなどが人気です。
ジップで連結できなくても、これらの優れたミドルレイヤーを重ね着すれば、保温性は確保できます。むしろ、気温に応じてミドルレイヤーを自由に選べるというメリットもあります。
長く愛用するために知っておきたい経年劣化の知識
GORE-TEXジャケットは高価ですが、適切なメンテナンスを行うことでその性能を長く維持し、愛用し続けることができます。経年劣化に関する知識は、購入後の満足度を大きく左右します。
ゴアテックス生地の寿命と防水透湿性の維持方法
GORE-TEXの防水透湿性を担う「メンブレン」というフィルム自体は非常に耐久性が高いですが、ジャケット全体の寿命は使用頻度やメンテナンス状況に左右され、一般的には3年から5年が一つの目安とされています。
性能を維持する上で最も重要なのは「洗濯」です。汗や皮脂汚れがメンブレンの微細な孔を詰まらせると、透湿性が低下し、「蒸れ」の原因になります。GORE-TEX専用の洗剤を使い、洗濯表示に従って定期的に洗濯することで、性能を回復させることができます。
生地の厚み70デニールが持つ街着での十分な耐久性
両モデルに採用されている70デニールという生地の厚さは、アウトドア用のシェルとしては標準的ですが、街着としてはオーバースペックとも言えるほどの十分な耐久性を持っています。日常生活における摩擦や擦れで生地が傷むことはほとんどありません。満員電車や人混みでも気を使うことなく、タフに着回せる安心感は大きなメリットです。
シームテープの剥離|劣化を遅らせるための保管場所
GORE-TEXジャケットの寿命を決定づける最も一般的な劣化が「シームテープの剥離」です。生地の縫い目から水が侵入するのを防ぐために裏から貼られているテープが、経年により接着剤が劣化して剥がれてしまいます。
この劣化を早める原因は高温多湿です。着用後に濡れたまま放置したり、クローゼットにしまい込んだりするのは避けましょう。風通しの良い日陰でしっかりと乾かし、ハンガーにかけて保管することが、シームテープの寿命を延ばすための鍵となります。
自宅でできる撥水機能の回復とメンテナンス方法
ジャケット表面で水を弾く「撥水性」は、使用するうちに低下してきます。撥水性が落ちると、生地表面が水を含んでしまい、透湿性の低下や冷えの原因になります。
撥水性は自宅で簡単に回復させることが可能です。洗濯後、乾燥機で低温乾燥させるか、当て布をして低温でアイロンをかけると、熱によって撥水基が再び立ち上がり、機能が回復します。それでも効果が薄れてきた場合は、市販の撥水スプレーを使用しましょう。このひと手間が、ジャケットの快適性を大きく向上させます。
用途別|マウンテンレインテックスとマウンテンライトがおすすめな人
これまでの比較を踏まえ、あなたがどちらのタイプに当てはまるか、最終チェックをしてみましょう。ライフスタイルや価値観によって、最適な一着は自ずと見えてきます。
マウンテンレインテックスジャケットが最適な3つの人物像
以下のような方には、マウンテンレインテックスジャケットが最適です。
- 軽さと携帯性を最優先するミニマリスト: ジャケットは常に軽快であるべきだと考え、旅行や出張にも気軽に持っていける一着を求める人。
- 街着メインでスッキリ着こなしたいファッショニスタ: アウトドアウェアを都会的でミニマルなスタイルに落とし込みたい人。フードを収納したスタンドカラースタイルを好む人。
- コストパフォーマンスを重視する現実主義者: 約11,000円の価格差を合理的と考え、その予算で他のギアやインナーを充実させたい人。
軽さは正義!アクティブなあなたの相棒
マウンテンライトジャケットが最適な3つの人物像
以下のような方には、マウンテンライトジャケットが最適です。
- 一つのアウターで冬まで着回したい合理主義者: ジップインジップシステムを最大限に活用し、秋から真冬まで一着のアウターで対応したい人。
- ブランドのアイコンを所有したいヘリテージ愛好家: ザ・ノース・フェイスの象徴的なデザインと刺繍ロゴに価値を感じ、長く愛せる定番アイテムを求める人。
- ファッションとしての存在感を重視するトレンドセッター: ややルーズなシルエットを活かし、ストリート感のあるオーバーサイズコーデを楽しみたい人。
冬まで見据えた最強のオールラウンダー
予算と軽さ|コスパ重視のあなたへの最終アドバイス
最終的にどちらを選ぶか。もしあなたが「コストパフォーマンス」という言葉に強く惹かれるのであれば、セーフからの最後のアドバイスはマウンテンレインテックスジャケットを選ぶことです。
マウンテンライトジャケットが持つジップインジップ機能と刺繍ロゴの魅力は約11,000円の価格差に見合う価値があるかもしれません。しかし、マウンテンレインテックスジャケットが提供する「約215gの軽さ」と「スッキリとしたデザイン」、そして「3層GORE-TEXの信頼性」は、その価格を大きく上回る価値を提供してくれます。浮いた予算で高性能なインナーダウンを購入すれば、冬の防寒性も十分に確保できます。より賢く、より軽快に、アウトドアと日常をシームレスに楽しむための選択として、これ以上の答えはないでしょう。
賢い選択で、軽快な毎日を
所有欲を満たす、冬の頼れる一着
よくある質問
- Qベンチャージャケットの防水性は、台風のような本格的な雨でも大丈夫ですか?
- A
ベンチャージャケットは耐水圧10,000mm~20,000mmの防水透湿素材DryVentを採用しており、一般的な登山や大雨には十分対応可能です。
しかし、台風のような長時間にわたる暴風雨の中での使用は想定されていません。
縫い目からの浸水や生地の保水による体温低下のリスクを考慮すると、より上位のゴアテックス製品をおすすめします。
- Qコンパクトジャケットをメンズが選ぶとき、レディースモデルを選ぶのはアリですか?
- A
ファッションとしての着こなしであれば、全く問題ありません。
レディースモデルはウエストがシェイプされ、着丈も短めなので、より体にフィットしたコンパクトなシルエットになります。
ただし、肩幅や袖丈がタイトになるため、重ね着を考えている場合や、がっしりした体型の方は試着してからの購入が安心です。
- QベンチャージャケットのDryVentという素材は、ゴアテックスとどう違いますか?
- A
DryVentはノースフェイスが独自に開発した防水透湿素材です。
ゴアテックスと同様に高い防水性と透湿性を持ちますが、一般的にDryVentを採用したモデルの方が価格が手頃な傾向にあります。
ゴアテックスが持つブランドイメージや絶対的な信頼性を求めなければ、DryVentは非常にコストパフォーマンスに優れた素材と言えます。
- Q結局、価格と機能のバランスを考えると、タウンユースメインならどちらがおすすめですか?
- A
タウンユースや日常での利用が9割以上であれば、コンパクトジャケットをおすすめします。
理由は、価格が1万円台と手頃であること、コットンライクな質感が普段のコーデに合わせやすいこと、そして圧倒的に軽量で携帯性に優れている点です。
ベンチャージャケットの防水性はオーバースペックになることが多いです。
- Qコンパクトジャケットは軽量ですが、生地が薄くてすぐに破れたりしませんか?
- A
コンパクトジャケットは軽量性を重視した設計ですが、リップストップナイロンという格子状に繊維が編み込まれた生地を使用しており、薄手ながらも十分な引き裂き強度を持っています。
日常使いや軽いアウトドアで簡単に破れることはありませんので、安心してお使いいただけます。
- Qどちらのジャケットもパッカブルで収納できますか?
- A
はい、どちらのジャケットもコンパクトに収納可能です。
コンパクトジャケットには専用のスタッフサック(収納袋)が付属し、非常に小さくまとまります。
一方、ベンチャージャケットもスタッフサックが付属しており、レインウェアとしてカバンに入れておくのに便利なサイズに収納できます。
携帯性ではコンパクトジャケットがわずかに優位です。
まとめ
この記事では、ノースフェイスの定番であるベンチャージャケットとコンパクトジャケットを様々な角度から比較しました。どちらを選ぶべきかの答えは、本格的な防水・透湿性能を求めるか、日常での手軽な防風・撥水性を重視するかという、あなたの主な用途によって決まります。
- ベンチャージャケットは「防水レインウェア」、コンパクトジャケットは「撥水ウインドシェル」という素材と機能の決定的な違い
- 登山や悪天候にはベンチャー、タウンユースや携帯性重視ならコンパクトという明確な用途の使い分け
- 1万円台から購入できるコンパクトジャケットと、高機能なベンチャージャケットの価格と性能のバランス
- スリムフィットなベンチャーと、ゆったり着られるコンパクトのサイズ感とシルエットの違い
この記事で解説したそれぞれのジャケットの特徴をもう一度確認し、あなたの使い方にぴったりの一着を手に入れてください。



